奮闘記 17 ☆ バカになること。

約束の時間に約束の場所に現れた憧れのジュエリーブランドデザイナーのTさん。

元モデルだけあって、スタイルもヴィジュアルも抜群。
赤いリップがお似合いだった。

『初めまして。インスタのコメントさせていただいたさやかです。』

『初めまして!さやかさん、いつもコメントありがとうございます😊』

眩しいくらい美しい笑顔だった。

私は、自分がハンドメイドのネットショップで起業準備中であることなどを一方的に話しまくった。
初対面で田舎から出てきた見ず知らずの人間の話を頷きながら聞いてくれたTさん。
ご自分がジュエリーを作るきっかけやネットショップの話をしてくださった。

この日はTさんのジュエリーが伊勢丹で販売していたので、ジュエリーの説明もしてくださった。
この時、創り手の方から直接、商品の説明や提案を受ける喜びを感じた。

"商品説明って大事だな。ただ、売るんじゃなくてお客さんに寄り添った接客ってあたたかいな。私も目指したい。"

Tさんの商品の中からターコイズの石があしらわれたヘアピンを買った。

『ネットショップ応援してます。頑張ってください!』

Tさんの言葉を胸に刻み、私は愛知県に帰るため新幹線に乗った。

自分とは住む世界が違うTさんと会うことは私にとって大きな冒険だった。

それまでは、嫌われたらどうしよう 嫌がらたらどうしよう と行動に移す事ができなかった。

でも、この日、Tさんに会わないといけないと思った私は恥を忍んでバカになってアポイントを取った。

多忙な中、お時間を作っていただいたTさんには今も心から感謝の気持ちでいっぱいである。

この時から私は、バカになって会いたい人には会いに行って自分の財産にする事を念頭に入れて行動している。

そして、この翌月いよいよ運命の出会いが訪れる。

戦友との出会いだ。