奮闘記 19 ☆ 初対面

翌週、私はJoaの山田さんに会うため、再び百貨店の催事会場へ出向いた。

在廊している場所へ行くと、おしゃれでかわいくて若さ溢れる女性が立っていた。

『あの、先週インスタのコメント入れた者です』

『あー!こんにちは!初めまして!』

確かこんな会話をしたと思う。

山田さんはすごく明るく私を受け入れてくれた。

名刺を渡す前に、ネットショップで起業準備中である話や、作家さんにオリジナル商品を作ってもらってそれを買い取り販売するスタイルであることなどを話した。

初対面なのにものすごい勢いでペラペラ喋っていたと思う。
それなのに、山田さんは真剣な眼差しで私の話を最後まで聴いてくれていた。

そして、意外なことを私に言った。

『作り手は作る事に時間をかけたいからさやたんさんみたいに商品を売って発送までしてくれる人がいてくれて嬉しいです!買い取りしてもらえるなんて嬉しいですよ!』

こんなような内容を言ってくれたのだ。
これまで、
無理 売れるはずがないなどネガティブな返答ばかり聞いてきた私にとって涙が出るほど嬉しかった。

『全力で応援します!』
今日初めて会った人間にこんなエールの言葉をかけてくれたのだ。

自分がやりたいことを理解してくれる人がいるんだ。

この時、初めてそう思った。
心強く、背中を押してもらった気がした。

そして、私がこの日、初めて買ったJoaのイヤリングがこちら。

当時、インスタにも掲載した。
星と月のファーイヤリング。
ファーと星のチェーンは取り外しできるようになっている。
その日の気分でカスタマイズできるのだ。

ハンドメイドってこういう提案もできるんだ。
こういう提案ができる作家さんがいるんだ。
すごいなぁ、ハンドメイドって。

私の中で、いまいちハンドメイドの定義がピンとこなかったのだが、山田さんとの出会い Joaのアクセサリーとの出会いをきっかけにハンドメイドとは ハンドメイド作家とは を追求するようになった。

『絶対うまくいきますよ!』

山田さんの言葉が私の胸に響いた。

頑張ろう。
絶対、悔いのないようにmarshmallowをオープンさせよう。

起業準備中の私の背中を押してくれた山田さんとの初対面後のインスタコメントの会話がこちらである。

その日の夜から私はネットショップオープンに向けて加速度をあげて行動していった。

山田さんとは今も戦友です^ ^

奮闘記 18 ☆ 運命の出会い

2015年9月。

ネットショップの運営イメージも固まってオープンも12月に決まった。
(なぜ12月にしたのかはまた別のお話で)

オリジナル商品を作ってもらうハンドメイド作家さんを探す時期に入った。

スケジュールとして、10月には製作に入ってもらわないといけないため、私はSNSや友達の紹介などで見つけたハンドメイド作家さんにメールやメッセージでオファーの依頼をかけていた。

20人ほどにオファーをかけたが、オープン前そして何の実績もない個人でやっているネットショップオーナーの依頼を2つ返事で快諾してくれる作家さんはほとんどいなかった。

委託販売のベテランである作家さんに
『売れないと思いますよ』
とも言われたこともある。

それでも、私は諦めることはなかった。

ある日、SNSを見ていたら名古屋の百貨店でハンドメイド作家が集まる販売店のポップアップイベントが開催されていることを知った。

ラインナップを見ていたら、別のハンドメイドイベントで素敵だなと思って声をかけた作家さんのブランドもあったので、また見に行くことにした。

翌日、百貨店に行き、ポップアップイベントのコーナーへ。

ジャンル問わず、個性のある作家さんの商品がずらり並んでいた。

以前、声をかけた作家さんが在廊していたので、また見に来ました^ ^と商品を購入し、在廊していない作家さんの商品も見てみることにした。

店内を見ていたら、私の視界に入ってきたブランド。

唇のマークが入っていてハンドメイド商品をリサーチし始めてから見たことのないデザインと色合いに衝撃を受けた。

作家紹介のポップを見たら、
日韓ハーフのデザイナーが生み出す
と書いてある。

私は韓国の某バンドが大好きで韓国も好きである。
一気に興味が湧いた。
デザインも韓国を感じさせる。

この作家さんに会いたい!

ブランドカードを持ち帰り、その日の夜、そのブランドと作家さんのSNSにコメントを入れまくった。

『ぜひお会いしたいので店頭に立つ日はありますか?』
『来週店頭におります』
『来週行きます!』

こんなやり取りをしたと思う。

これが、私の戦友であるJoa(現 Joa+)のオーナーデザイナー 山田恵さんとの出会いだった。

奮闘記 17 ☆ バカになること。

約束の時間に約束の場所に現れた憧れのジュエリーブランドデザイナーのTさん。

元モデルだけあって、スタイルもヴィジュアルも抜群。
赤いリップがお似合いだった。

『初めまして。インスタのコメントさせていただいたさやかです。』

『初めまして!さやかさん、いつもコメントありがとうございます😊』

眩しいくらい美しい笑顔だった。

私は、自分がハンドメイドのネットショップで起業準備中であることなどを一方的に話しまくった。
初対面で田舎から出てきた見ず知らずの人間の話を頷きながら聞いてくれたTさん。
ご自分がジュエリーを作るきっかけやネットショップの話をしてくださった。

この日はTさんのジュエリーが伊勢丹で販売していたので、ジュエリーの説明もしてくださった。
この時、創り手の方から直接、商品の説明や提案を受ける喜びを感じた。

"商品説明って大事だな。ただ、売るんじゃなくてお客さんに寄り添った接客ってあたたかいな。私も目指したい。"

Tさんの商品の中からターコイズの石があしらわれたヘアピンを買った。

『ネットショップ応援してます。頑張ってください!』

Tさんの言葉を胸に刻み、私は愛知県に帰るため新幹線に乗った。

自分とは住む世界が違うTさんと会うことは私にとって大きな冒険だった。

それまでは、嫌われたらどうしよう 嫌がらたらどうしよう と行動に移す事ができなかった。

でも、この日、Tさんに会わないといけないと思った私は恥を忍んでバカになってアポイントを取った。

多忙な中、お時間を作っていただいたTさんには今も心から感謝の気持ちでいっぱいである。

この時から私は、バカになって会いたい人には会いに行って自分の財産にする事を念頭に入れて行動している。

そして、この翌月いよいよ運命の出会いが訪れる。

戦友との出会いだ。

奮闘記 16 ☆ 本格的なリサーチ開始。

新宿の伊勢丹

高級ブランド店舗が並び、客層も富裕層が多い。

私が思う伊勢丹のイメージ。

ハンドメイドイベントは2階で開催されていた。
事前にサイトでリサーチしていた作家さんの商品が並んでいた。
これまで私が見てきたハンドメイドとは違ってアクセサリーにタグがついていたりブランド感が確立されている商品ばかりだった。

1人の作家さんが在廊していた。
話を聞くと、長野県で工房を持ち、日々、自分で和紙を製作してアクセサリーなどを創り出していると言う。

"?!作家じゃなくて職人じゃないの?ハンドメイドのくくりってどこまであるの?"

私は心の中でつぶやいた。

商品を説明してもらいながら、今日は愛知県から来た。実はハンドメイド品を取り扱うネットショップをオープンしようといろいろなハンドメイド品を見て勉強してるんです。というような話もした。

作家さんは、
へぇ。
というような表情で、頑張ってくださいね^ ^と笑顔で言ってくれた。
これも何かの縁なので、と名刺を交換した。
私がハンドメイド作家さんに名刺を渡したのはこの方が初めてだ。

『わー!このワンちゃんかわいいですね!』

作家さんは、名刺に載せたマスコットキャラクターまろ吉を見て褒めてくれた。

『ありがとうございます。うちのマスコットキャラクターなんです。』

『すごくかわいいですよ!マスコットキャラクターいいアイデアですね。このワンちゃんのグッズがあったら買いたいなぁ。』

"グッズ?!"

思いもよらないことを言われて一瞬かたまってしまった。

お客様がいらっしゃったので、ではまた機会があれば と言葉を交わしイベントブースを後にした。

そして、私が伊勢丹に来たもう1つの理由。

憧れのジュエリーブランドデザイナーさんとの対面だ。

事前にアポイントを取ってあった私は約束の時間までドキドキしながらデザイナーさんの到着を待っていた。

奮闘記 15 ☆ ハンドメイドを知る。

起業準備をする傍ら、私はハンドメイドについて研究していた。

ハンドメイドを扱うには、知っておくことがたくさんあるんじゃないか。

そう思った私は、スマホでハンドメイドについてあれこれ調べはじめた。

まず、画像検索でハンドメイドにはどんな物があるのかを見た。

手作りのコサージュ、アクセサリー、洋服などたくさんあってどれが人気のハンドメイド品なのかわからなかった。

しかも、レベルも素人感が前面に出ている物から既製品かと思うくらいのクオリティーのものまでバラバラだった。

なんでこんなにバラつきがあるの?
値段もバラバラだし、作家さんも多すぎる。

なんと、100円で売られている物もあって、とてもびっくりしたのを覚えている。

こんなピンからキリまであるのか。

困った私は実際に市場でどれくらいの値段で販売されているのかを視察しに行くことにした。

それも、新宿の伊勢丹に行ったのである。

ちょうど、大手ハンドメイドサイト主催のイベントが開催されていた。

名古屋市内で開催されていたハンドメイドマルシェやイベントには何度も足を運んでいたし、パーツ屋さんにもリサーチに行っていたが、百貨店でもハンドメイドイベントが開催されるのって珍しいなと思った私は参加している作家さんを1人ずつリストアップした。

気になる作家さんが在廊していたら声をかけてみよう!
と、名刺を持ち、営業を兼ねてわたしは伊勢丹へと向かったのである。

奮闘記 14 ☆ 創業セミナー最終日

早いもので創業セミナーも最終日。

ラストは、外部講師を招いてのディスカッションセミナー。

名古屋市内に何店舗もの珈琲店を経営する社長夫妻だった。

まず、夫妻の創業のお話からスタート。
脱サラした社長は想像を絶する苦労を経て、お店が名古屋で人気の老舗珈琲店になったこと。

通販でペットボトルコーヒーを販売して繁盛するまで大変だったこと。

店舗を構えるならどの位置が1番いいのか。

などを経験を交えてお話してくださった。

ディスカッションでは、受講生が自分の事業に対する想いなどを語り合う。

私は、ハンドメイド作品をハンドメイドを知らない人にも知ってほしい。
ドキドキワクワクする気持ちを届けたい。

と話した。

人前で自分の想いを発表するなんて大の苦手であったが、不思議と自然に話せたのである。

これは、常に頭を使い考え、ノートに想いを記録し、可視化していたからではないかと思う。

他の受講生の発表も自分ならどうするだろう。と置き換えながら聴いていた。

あっという間に、ディスカッションが終わり、創業セミナーは終了した。

特に修了証授与などはなかったが、私にとって、経営者の心構えというものが深く刻み込まれた初めての創業セミナーだった。

もっともっと経営や起業の勉強がしたい。

私は秋が来るまで、あらゆるビジネスセミナーやITセミナーに足を運んだ。

ある程度、基礎的な知識を身につけた私はいよいよハンドメイド作家のリサーチに突入するのである。

奮闘記 13 ☆ マスコットキャラクター まろ吉 誕生

創業セミナー最終日のお話をする前に。

marshmallowには、マスコットキャラクターが存在します。

それが、こちら。

マスコットキャラクター
【まろ吉】

はい。
犬です。

今日は、まろ吉の誕生秘話をお話します。

ハンドメイドセレクトショップmarshmallow(マシュマロ)という屋号が決まってすぐに何か目印になるような物を作りたいと思いました。

SNSでネットショップを宣伝しようと考えていた私は、marshmallowのTwitterInstagramFacebookページ、そしてブログの設定も考えていました。

プロフィール画像をどうしようか。

と悩んでいた時です。

テレビを見ていたら1匹のフレンチブルドッグが出ていました。

すごくすごくかわいくて、憎めない。
スヤスヤと寝ている様子がたまらなく癒されました。

すると、主人が

『さやちゃん、フレンチブルドッグに似てるね』
フレンチブルドッグをマスコットキャラクターにしたら?』
と提案してくれました。

すると、スマホのペイントアプリを立ち上げて、何やら書き始めました。

ゆるーいゆるーい画伯的なフレンチブルドッグ

これをmarshmallowのマスコットキャラクターにしたらどうかと言うのです。

果たして、私がフレンチブルドッグに似ているかどうかはわかりませんが私もピンと来るものがあり、この提案を受け入れました。

特徴的なので目を引くし、プロフィール画像にもぴったりです。

マスコットキャラクターだから名前をつけないと、とあれこれアイデアを浮かべます。

マシュマロからとって、

マシューはどうかも主人に提案しました。

すると、

『そんな分かり難い名前はだめ。まろ吉でいいやん』




まろ吉。

えええ?
と思いましたが、ネットショップはお子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで老若男女問わず利用してほしいという想いがあったので、ペット感覚で馴染みがあるし愛着がわくかもしれないということで、

まろ吉

に決定。

ここまでは主人のアイデアに助けられましたが、ここから先は自分で色々考えました。

この時点で、まろ吉は無機質な状態でした。
私はイラストが得意な友人にLINEでまろ吉の画像を送り、事情を説明し、手直ししてほしい。足りないところは加えてほしいとお願いしました。

すると、首元にピンク色のリボンを巻いていてシワなども細かく加えられていました。

あとは、所々、細かい線が追加されていました。

かなり立体的になった、まろ吉。

いきなり無茶なお願いをしたのに、スピーディーに対応してくれた友人には本当に感謝しています。

さぁ、まろ吉を紹介するときにどう紹介するのか。

考えたのが、

"いつもスヤスヤ寝ているフレンチブルドッグ。オスだけど首に巻いているピンク色のリボンがお気に入り"

という文句です。

こうして、あっという間に

marshmallowマスコットキャラクター
まろ吉

が誕生しました。

まろ吉は、多くの方に愛されるキャラクターになり、SNSプロフィール画像に設定している時期には、

あ!あの犬のアイコンですね!

とまで言われることもありました。

今でも、コンサルサポートの資料に登場してmarshmallowを見守っていてくれています。

まろ吉の誕生により、TwitterInstagram、名刺も作りました。

当時、初めて作った名刺がこれです。

まだ、ネットショップを開設していないので本当に自己紹介のための名刺でした。

この名刺を持って、私は創業セミナー最終日に向かったのです。